Dolce


朝、目が覚めると虹色の小さな箱が枕元に置いてあった。

(クリスマスじゃあるまいし…)

死々若丸は心の中でぼやきながら、リボンを解き、中を確認する。
鈴木にしては珍しく、大人しいピンクのチョコレートケーキだった。
全て手作りしたのであろうが、職人顔負けな紅薔薇の飴細工が乗っていた。





(甘い…)

ご丁寧に添えてあったフォークで口にする。
…半分ほど食べたところで鈴木が起こしにやってきた。

「おはよう!あ、死々若〜布団の上で食べたらダメだろ?めっ。」

「美味しい。」

「ありがとう。朝ごはんもちゃんと食べてくれよ?」

「…鈴木。」


そう小さく呼んで、かがんだ彼に唇を寄せた。
お互い頭に手をまわして、深めのキス。


「…ストロベリーチョコレート味だ。」

「オレからのバレンタインだからな。」

「ふっ…ありがとう、若。」


そう言って、静かに布団の中へ二人で潜りこんで行った。





END.
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こんなことされて、鈴木はここまで冷静でいられないんじゃないか。
…というツッコミは無しでお願いします。
2012最初の更新でした。