ある晴れた日に




ある晴れた日に、珍しく午前中に目の覚めたロールパンナは、空中散歩をしていた。
しばらく飛ぶと、真っ青な海が見えた。

「…マリン…」

かつて、この海で遊んだ白馬、マリンを想う。
何故か自分によく懐き、大切な宝物まで見せてくれたマリン。
妹のメロンパンナにもよく懐いていて、一緒に遊んだ。

砂浜にメロンパンナと自分、そしてマリンの落書きをしていると、人影が見えた。

「あれ、ロールパンナちゃん?」

「…お前は…」

そこに現れたのは、パトロール中のアンパンマンだった。
いつもロールパンナに攻撃されるわりに、笑顔で近づいてくる。
ロールパンナには、アンパンマンの気持ちが全く理解できなかった。
そんなロールパンナの気持ちを知ってか知らずか、アンパンマンは平然と話かけてくる。

「今日も海がキレイだね〜
 お日様も出ているし、さっきはクジラのクータンに会ったよ」

「………」

「ロールパンナちゃんは何をしていたの?」

「…別に何も」

「ん?…これ、ロールパンナちゃんが描いたの?上手だね〜!」

ロールパンナの落書きを見つけたアンパンマンは感嘆の声を上げる。
「かわいく描けてるよ、絵が上手なんだね〜」とのんきに話を続ける。
恥ずかしくなったロールパンナは顔を赤く染めてそっぽを向いた。

ちゅっ

「!?」

「君はとっても可愛いんだよ」

パトロールに戻るのだろう。
アンパンマンはそう言って、飛び去ってしまった。

ロールパンナはアンパンマンにキスをされた訳だが、彼女にはその意味が分からなかった。
ただ、なんとなく、恥ずかしい。
けれど、心がふんわりと温かくなる。
そんな気持ちだった。

END
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わんこ牧場、初のアンロール作品です…!!
やったよ私!おめでとう私!ありがとう私!(うるさい)
私の中で、アンパンマンは紳士です。
それに対して、ロールは淑女です。でも、ピュア過ぎて色恋沙汰がわかりません。
これから二人の恋が進んでいきます。